「心を通わす技術」メルマガ第98回:2014年4月1日

こんにちは、鈴木です。
メルマガを開封して頂き、ありがとうございます。

 

 

「頭ではなく心で聞く秘訣」


先日、養成講座で応答トレーニングを実施しました。

講座の中で塾生のYさんがこう言っていました。


Yさん「(自分は)どうしても頭で聞いてしまうんだと思います」


応答トレーニングでは、塾生に自分の応答を作って頂きます。

実際の逐語記録でカウンセラーの応答の部分を
塾生が「自分ならこう応答する」と自分の答えを創ります。

Yさんが「頭で聞いてしまう」と漏らしたのは、その時でした。

なかなか適切な応答が作れなかったわけです。


ただ、これはYさんに限った話ではありません。

養成塾の講座を受けている人たち、そのほとんどが同じ状態です。

つまり、適切な応答が返せず、"頭"で相手の話を聞いてしまうんですね。


適切な応答を返せないと、応答そのものだけを問題にしがちです。

「どんな言葉で返そう」ばかりを考えてしまうということです。


しかし、会話というものは、そもそも人の話を正確に聞いて、
聞いた話を自分なりに理解・消化します。

そして、その理解を相手に言葉にして伝えるのが応答です。

「聞く→理解する→返す」が一体となっているのですから、
応答だけいじくっても適切になるはずがないわけです。

適切な応答で対応するということは、
全て一連の反射神経のなせる業(わざ)です。


ではなぜ、ほとんどの人がこうしたスムーズな流れの中で対応できず、
不自然な対応に終始して行き詰ってしまうのでしょうか?


そこで先ほどのYさんの言葉が出てくるわけです。

つまり「頭で話を聞いてしまう」からです。

では、頭で話を聞くとは、どういうことでしょう?


ズバリ言わせて頂くなら、知識や情報、思い込みが邪魔しているということです。

心理学の理論・精神医学の知識などで、頭の中がパンパンなんです。

あるいは自己啓発の知識も邪魔をしてくることでしょう。


話をしているのは、あなたではなく、目の前の相手です。

その目の前の相手が何を伝えようとしているのか?

その一点に集中するからこそ、傾聴でき、共感が生まれるのです。

心理学の理論や精神医学の知識は、そういう場面では役に立ちません。

いえ、役に立たないどころか、かえって邪魔になるだけです。

相手の話していることを、自分のもっている知識や情報に当てはめて、
それでジャッジするような聞き方だから、応答ができなくなるのです。

あるいは、自分の狭い価値観や経験則による思い込みが出てきて、
相手の話をそのまま受け止められなくなっているからです。


あなたもそういう聞き方をしていませんか?


相手の話を聞いていると、なぜか心が落ち着かなくなってくる。

その瞬間、自分の中から様々な思いや考えが浮かんでくる。

結果として、相手が何を話したか聞き逃していたことに気づく。

しかし、時すでに遅しで、どんな言葉を返したら良いかわからない。

そこで、何も言えなくなってしまうか、無理やり言葉や質問を持ってくるか・・・・


このような経験、今までにあったのではないでしょうか?


カウンセリングは、カウンセラーのたった一言が全てです。

カウンセラーのたった一言で、面接の流れが一変します。

そんな重大な意味のある応答を、中途半端にしては、
上手くいくものもいかなくなると思いませんか?


では、どうすればいいのか?

どのように聞き手の神経を働かせれば良いのか?

 

答えはこうなります。


「当たり前の感覚を働かす」


誰もが持っている「当たり前の感覚を働かせる」ことが大切です。

心理学の知識、狭い価値観、思い込みを横に置き、
自分の素直な感覚を頼ります。

「あれ?」とか「ん?」という感覚です。


でも、これだけではわかりにくいかもしれませんね。

わかりやすくするために、例をあげてみます。

例えば、クライエントがこう言ったとしましょう。

 

クライエント「私はすごく不安だと思うんですよ」

 

あなたはこの言葉をどう受け止めますか?

この表現をどう聞き、どう理解できると思いますか?


私だったら「おや?」と思います。

先ず、そういう感覚が働きます。

そして、自分が感じた違和感はどこから来るのだろう・・と探します。

すると「すごく」と言っているのに、「不安なんです」ではなく、
「不安だと思うんですよ」という言葉になっている。

そこに着目して違和感を持ったことに気づきます。


誰か他人のことを言っているのではなく、まさに自分自身の話です。

なのに「不安です」ではなく「不安だと思うんですよ」と言っています。

まるで他人事のような言い方になっています。

しかも「すごく」と実感がありそうな副詞的表現があるにもかかわらずです。


こういう感覚を働かすのに、難しい心理学の理論なんて要らないでしょ?

誰もがもっている当たり前の感覚を働かせるとは、こういうことです。

もし働かないのなら、それは知識や情報、思い込みが邪魔をしているからです。


私の師匠は生前に「頭ではなく心で聞く」ことの重要性を何度も言っていました。

ケースカンファレンス等で、私たち生徒に
「まだ頭で聞いている」と何度も注意していました。

「頭ではなく、心で聞け。そうすれば深い面接になる」と・・・


余談ですが、師匠は「心で聞く」の更に上のレベルを目指していました。

「心ではなく"気"で聞く」です。


これは荘子の「人間世篇(じんかんせいへん)」の一節にある言葉です。

つまり、自分自身の内面で起きる深い感覚レベルの反応。

その反応を正確に認識しながら聞くということでしょう。

 

情報があふれかえった現代に生きる私たちは、
頭の中が様々な知識・情報によって「パンパン」の状態です。

そうした知識や情報は、本来物事を正確に認識し、
判断していくのに必要なはずのものです。

しかし、実態はむしろ逆で、そうした知識や情報によって、
物事をそのまま見ることも、それを的確に判断することも出来なくなっています。

考えてばかりで、目の前の事象をしっかりと味わうことすら出来なくなっているのです。

だから相手の話を正確に聞くことも、心を通わすことも難しくなっています。

私はかねてより、そのことを強く実感してきました。


そう考えると、カウンセリングの学習は、
単にスキルアップということにとどまらない。

人と心を通わせる原点を知り、大切な人との人間関係を育んでいく。

そういう目的を果たす役割も担い始めていると感じています。

ということは、カウンセリング場面だけでなく、
様々な場面でカウンセリングのスキルが必要になってくるはずです。


あなたはどうでしょう?

当たり前の感覚を豊かに働かせ、人と心を通わせていますか?

知識や情報に惑わされ、大切なものを見失ってはいませんか?

 
       

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