「聞く力をつける」メルマガ第96回:2014年3月8日

こんにちは、鈴木です。
メルマガを開封して頂き、ありがとうございます。

 

 

「聞けさえすれば何とかなる」


ある時・・・といっても数年前。

私は師匠のカウンセリング研修に参加していました。

確か参加していたカウンセラーの面接を検討する授業だったと思います。

授業の終盤で、師匠がカウンセリングについて話し出しました。

 

師匠が言ったのはこういうことでした。


自分はカウンセラーになって、面接では、最初の25年はひたすら聞いていた。

途中で何かカウンセラー側から助言めいたことを言ったり、質問したり、
そういう余計な動き方は絶対にしなかった。

私が現在のような(動く)スタイルになったのは、最近のことだ。

こっちは44年、臨床をやっている。

下手に(皆に)真似されては困る。


確かに下手に真似されたら困るでしょう(笑)

師匠は話を続けていたのですが、私は途中から質問をはさみました。


鈴木「共感とか、応答とか、いろいろあっても、まずは聞くことなんですね」


師匠「まずは聞くことだ。とにかく聞けさえすれば何とかなる」


鈴木「何をやるにも、聞くことができなければ始まらないと?」


師匠「そうだ。簡単にはいかないから、ひたすらやるしかない」


鈴木「それは、終始そうした姿勢が必要になりますね?」


師匠「だから聞くということは、もう、姿勢とか態度という話になる」


鈴木「・・・・・・・」


師匠「とにかく『ひたすら聞く』しかない。余計なことを考えないでいい」

 

私は時々、このような問答を師匠としていましいた。

問答をする意図はなく、私としては、ただ「聞けるようになりたい」
という、その一心で師匠に質問していました。


私がした質問が、師匠にとって、ちょっとでも気に入らない質問だと、
何も返事もしてもらえないという時もありました。

しかし、私は臆せず、質問を続けたものです。

 

カウンセリングを学習している方はたくさんいらっしゃいます。

しかし、本当の意味で「聞ける」とはどういうことか?

それを分かっている人は、少ないでしょうね。


さらに、聞けたという感覚をもっている人は、もっと少ないでしょう。


カウンセリングの学習を続けていると、
自分が「ちゃんと聞けていない」ということはわかります。

養成塾で実習をすると、それが如実に実感できます。

一方で「どうしたら聞けていると言えるのか?」も、わからない人が多いでしょう。

 

以前スカイプカウンセリングをしたクライエントの方が、
次のような表現で、自分のことを話されていました。


「自分は人の話を聞いてはいるけど、聞けているわけじゃないと思います」


聞いてはいるけど、聞けてはいない。

この両者の差は、そう証言した本人が一番自覚するところでしょう。

この両者の差は、いったいどこからくるのでしょう?


おそらくその差はズバリ、集中力の差であるといっていいでしょう。

聞く、そして聞けるという状態は、相手の話以外には、
何も耳に入らない、何も気にならない、それほどの集中力を要します。


それは、盤面に向かって次の一手を考える棋士のようかもしれません。

あるいは、ミリ単位の切削作業を続ける職人のようかもしれません。

私の師匠はその感覚を「針の穴に糸を通す感覚で聞く」と言っていました。


ここまで読んで、もしかしたらこう思うかもしれません。

相当に集中力がいるし、訓練も必要になるのはわかった。

でも、そういう力を身につけるためには、どうすればいいのだろう?

 

実は、答えは簡単です。


「聞けている」とは、相手が一番言いたいこと、伝えたいことを、
こちらがそのまま聞き取れていることだといえるんです。

もう一度言いますよ。

「相手が一番言いたいこと、伝えたいことを、こちらがそのまま聞き取れていること」


そうなんです。

たったそれだけなんですよね。


でもここで、更に次のような疑問が残るかもしれません。


「聞けているかどうかをどう確認すればいいのか?」

「相手の一番言いたいことを聞き取れているかどうかを、どうチェックすればいいのか?」


そう、問題はここなんですね。

多くのカウンセラーや指導者が、明確に答え切れない問題です。


でもね、これも答えは簡単なんです(笑)


いえいえ、ほんと、簡単なことなんですよ。

答えはこういうことなんです。


「聞き取ったこと、理解したことを言葉にして返せばいい」


私はあなたの一番言いたいことはこういうことだと聞き取ったよ。

私はあなたが一番伝えたいことは、こうだと理解したけど、これで合っている?


このように、「こういうこと」「こう」の部分を
具体的に言葉にして返すことで、話し手に確認すればいいんです。

これをカウンセリングの世界では「応答」というわけです。


それで「その通りだ」という反応が話し手から返ってくれば、
そこで初めて「聞けた」となるわけです。

クライエントは、自分の伝えたかったことそのものを返されたとき、
「その通りだ」という反応が内側から思わず出てくるものです。


ですから、この応答が「オウム返し一辺倒」であるはずがないわけです。

カウンセラーの理解をクライエントに伝え、了解をもらうプロセスだからです。


ね、簡単でしょ(笑)


たしかにメカニズムとして理解するのは簡単なんですよ。

でもね、これを「実践できるようにする」のは、もちろん簡単じゃない。

マスターするには、試行錯誤や練習が必要になるんです。


・「聞ける」とはどういうことか?

・どうなれば「聞けた」といえるのか?

・「聞けるようになる」ために必要なことは何か?

・どうすれば「聞ける」ようになるのか?


カウンセリングを学ぶということ、そして力をつけるということは、
それぞれの問いの答えを自分なりに持つことだといってもいいでしょう。

そして、そのためには、何度も何度も自分の聞き方をチェックする。

それ以外には方法はないわけなんです。


繰り返し、繰り返し、自分の聞き方をチェックする。

正直、嫌になるほど、何度も何度もです。

でも、その取り組みを続ければ、誰も追いつけないほどの「聞く力」を獲得できます。


そのレベルに到達できたとき、例のあの言葉の意味が、初めて得心できるはずです。


「聞けさえすれば何とかなる」


自分の会話や面接を録音して聴き返す。

この訓練法は、正直、レコーダーさえあれば、誰にでもできます。

難しいテクニックなど要りません。


この「誰にでもできること」を、誰にもできないくらい繰り返す。

カウンセリング学習の王道は、これに尽きるといえますね。 
 
       

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