「何もしないことに全力をあげる?」メルマガ第4回:2011年2月4日

こんにちは、鈴木です。

 

 

今日はカウンセラーとしてやっていくために、

とても大切なことを一つ、書いてみたいと思います。

 

 

いろいろなケースをやっていくと、時折、大変な状況に遭遇します。

 

この人は、カウンセリングだけやっていても、ダメなのではないか?

 

こちらから電話やメールをしたり、

相談室やカウンセリングルームから外に出て、

様子を見に行かなければ心配でいられない。

 

 

そんな風に居てもたってもいられないという

そんな気持ちに駆り立てられるケースに出会うことがあります。

 

 

ところがです。

 

 

そういうケースの多くは、そこまでしなくても、

こちらの心配とは裏腹に、予想もしなかった展開になって、

何とか切り抜けていったり、次なる展開を見せる。

 

 

こういうことがよく起きるのです。

 

 

もうこっちが出て行って、何とかしなきゃダメなんじゃないか?

そう思っていても、そこでこちらが踏ん張って動かない。

 

そんな風に思えるケースであっても、時間が来たら面接を終わりにし

「そうしたら、また来週お待ちしています」とやる。

 

そうすると、次の回にはクライエントが

ちゃんと何らかの対処を済ませて面接に訪れる。

 

あるいは、クライエントが直接何かしたのではないにせよ、

新たな展開、思わぬ進展をみて、その話で面接が始まる。

 

 

こういうことって珍しくないんですよ。

 

 

つまり、鈴木が言いたいことはこうです。

 

 

もし、心配で心配でこちらが動いていたら、

そういう新たな展開は起きなかったかもしれない。

 

 

こちらから電話やメールをしたり、会いに行っていたら、

クライエントが自ら新たな行動を起こすとか、

新たな展開を経験するというチャンスを奪っていたかもしれない。

 

そういうことなんです。

 

 

臨床の世界では、ほんとに珍しくないんですよ。

 

こっちがもう動かなきゃどうしようもない。

面接以外で手を貸さなきゃ仕方がない。

 

そう思っても、そこをグッと踏みとどまって、

「それではまた次回お越しください」とやる。

 

 

それが出来るのは、クライエントの潜在的な可能性を

カウンセラーが心から確信する。

 

そういう基本姿勢を一貫して持つことも必要です。

そこを信じられなければ、動きたくなってしまうから。

 

 

カウンセリングの枠組みを踏み越えないことが重要です。

 

臨床の先人たちが長い歴史を通して確立してきた枠組み。

やっぱり意味があるし、重みがあるものです。

 

 

そういうところを大事にしていくことによって、

カウンセラーとしては非常に意義深い経験が出来たりします。

 

 

それともう一つ。

 

 

カウンセラーの出来ることというのは、非常に限られている。

100のうちのせいぜい5か10位のものです。

 

本当に小さい、限られたことまでしか出来ない。

先ずはそのことをよくよく我々は思い知る必要があります。

 

 

その限界を十分に思い知った上で、あえて書くとですね。

 

 

この、たかだか5~10位のことが、

やっぱり大きい力になったりするんです。

 

カウンセリングでカウンセラーが全力を尽くして

クライエントに対して出来ることはせいぜい5~10位。

 

ただ、残りの90~95が、その5~10によって

動かされていったり、影響を受けたりすることがあります。

 

 

90~95というのは、そのクライエントの家族だったり、

クライエントの生活環境だったり、生い立ちだったり、

クライエントの自身の日々の心の動きだったりします。

 

 

カウンセラーだからといって、そこに土足で踏み込むことはできません。

そういう意味でも、カウンセラーの出来ることは僅か。

 

 

でも、そうした様々な要因が、クライエントを中心に

いろいろと常に動き、変化している。

 

それら周囲の動きが建設的な方にゆっくりと動き、

最後の最後、詰めみたいなポイントが5~10。

 

 

我々の仕事は、そういう全体の中で機能したり、しなかったりする。

 

 

カウンセリングが万能だとか、カウンセラーは何でも解決できる。

そんな風なことはあり得ないことです。

 

 

あり得ないと頭では皆わかっている。

でも、カウンセラー側の焦りや不安がそれを脇に追いやり、

少しずつ無理をしようと余計な動きを起こす。

 

 

そのことによって得られることよりも、

失われることの方が多いということを

私たちは絶対に忘れてはならないんです。

 

 

"動かない"ということが、とても重要な場面が多々あります。

 

 

あの河合隼雄氏も、その著書の中でこう書いています。

 

「我々の仕事は、何もしないことに全力をあげることだ」

 

 

こうした言葉の意味、重さを忘れないでください。

 



メールアドレス:

(必須)
お名前 (必須)

 

>>体験講座の詳細はこちら