「カウンセラーの安定感はどこから来るのか」メルマガ第153回:2015年10月5日


オープンセミナーで、一番好評なのが「傾聴トレーニング」です。


参加者同士でロールプレイを実施し、そのやり取りを録音。


その後、それを再生して一言半句のレベルで解析するというものです。




こうしたトレーニング方法によって、様々なことが見えてきます。


一番は、その参加者の聞き方の「クセ」ですね。


応じ方だったり、反応の仕方だったり、

どういう話や流れになると聞けなくなるのかだったり・・・


そういうことが具体的な場面の解析によって見えてきます。




具体的に聞いている場面を観察し、解析する。


だからこそ、聞き手の内面で、その時何が起こっているのか?


そういったことまで検討できるわけです。




例えば、聞いているうちにいろいろな感情が湧いてきた。


聞いているうちに、別の事を考え始めてしまった。


聞いているうちに、不意に思い出されることが出てきた。




こうして話に対する注意・集中が乱れ、聞けなくなるわけです。


最近は、聞ける状態というのは、もう、集中力の問題だと私は思っています。


「いかに聞けたか」と、「いかに集中していられたか」とは、同じことだといえます。




そうした集中状態を生み出すものとして、とても大切なことがあります。


それは、一言でいうと「確信」です。


カウンセラー側の「確信」といっていいと思います。




どういう確信かというと、クライエントへの確信です。


クライエントは必ず立ち上がるという確信。


クライエントの中に潜在的に存在する力への確信です。




それは「信頼」という言葉では足りないほどです。


確信=かたく信じていること。信じて疑わないこと。


だから「確信」なのです。




この「確信」が常にあるので、カウンセラーには余計な不安がないんです。


ひたすらクライエントに対して集中できるのです。


クライエントの経験の世界に没頭できるのです。




聞いているときに、不安や迷いがわずかでも起きると、

話は途端に聞けなくなります。


その不安や迷いに集中力を奪われるからです。


一瞬たりとも不安や迷いに支配されずに、ひたすら聞けること。


これを可能にするのが、カウンセラー側の「確信」なんですね。




ですが、この「確信」、もちろん、最初から持てるわけではありません。


経験の浅い頃は、確信がもてないので、ひたすら信じようとします。




カウンセリングの教科書に、クライエントを「信頼する」と書いてありますよね。


最初は「信頼する」こともできませんよ。


信頼=信じて頼ること。頼りにできるとして信ずることですからね。


最初は頼りにするところまでも思えません。




だから、最初は信頼もできませんので、とにかく信じようとします。


信じようと続けますね。




これを続けることが、実は一番大事なんです。


信じ続けることで、そこには「経験値」が生まれます。


信じてやることが、どうやら大切なようだ。


信じてやったから、この人は立ち直っていったんだ。


そういう経験値を重ねていけるんです。




また、人間はどん底からこんな風に立ち直っていくんだな。


そういうことを何度も目の当たりにする。


この経験値が信じようとするを信じ続けるに変え、

信じ続けるを信頼に変え、やがて信頼から確信へと変わるのです。


人間は立ち上がる力を潜在的にもっている。


そのことを自分の経験値でもって、確信できるようになっていく。


だから常に持つことのできる「確信」が生まれるわけです。




この「確信」があるため、どんな話でもついていくことができます。


どんなケースであっても、落ち着いて対応することができます。


カウンセラーのこうした安定感が、クライエントの力に変わります。




以前、師匠の吉田の授業の中で、吉田自身が実施した

中学生の面接の事例(録音&逐語)が取り上げられました。


親に強制的に連れてこられた中学生の女の子。


面接の冒頭では、終始沈黙。


ところが、吉田が一言、また一言と言葉をかけていくうちに、

その中学生は徐々に言葉を発し、心を開いていきます。


そして、面接の最後には、もう一度来ますと、力強く言ったのです。




録音を聴いていた私たち弟子一同は、その面接の流れに圧倒されました。


大人への不信感で頑なに心を閉ざしていた思春期の子供が、

初対面の吉田に対して、短時間で心を開いたからです。




このとき、吉田はこの面接事例に解説を加えながら、こう言いました。




「私はね、こういう子のこうした場面では、絶対的な自信を持っているからさ」




カウンセリングというのは、

こうした目に見えない要素がとても大きく作用します。 


理論的なこと、技巧的なこと、それはやはり、枝葉末節なことなんです。


もちろん、枝葉末節が大事なんですが、それはしっかりとした幹があってのこと。


この幹こそが、カウンセラーの安定した態度や雰囲気であり、

その根っこにはカウンセラーの経験に裏打ちされた「確信」があります。




この「確信」を、自分はどうすれば持つことができるのか?


そのためには、自分をどう磨き、どんな訓練を積めばよいのか?


明日のクライエントのために、どうか、真剣に考えてみてください。




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