「どんな間柄か?が重要だった」メルマガ第151回:2015年9月10日


「何を言うかではなく、どういう関係なのか」



50年ほど前の教育書に、非常に興味深い記述を見つけました。


それは、生徒がどうなったら勉強を積極的にやるか・・というもの。


読んでいくと、こんなことが書いてありました。




生徒が勉強に積極的になるカギは、先生の指導法ではない。


先生がいかに生徒に働きかけるかということでもない。


先生と生徒との間柄が、どういう「間柄(あいだがら)」になっているかだ。




つまり、先生と生徒との関係性によって、生徒のやる気が決まるというのです。


先生と生徒との間で「ある関係性」が成立していたら、

生徒は自ら勉強に取り組むというのです。


そして、生徒が先生との間に、ある関係を経験することで、

生徒はモチベーションをもって、自ら勉学に励むと・・・




これは、実に興味深い記述だと思いました。


なぜなら、まさにカウンセリングと同じだと思ったからです。




カウンセリングの成否を握るもの。


その重要なファクターの一つは、やはり「関係性」です。


カウンセラーとクライエントとの関係性は、

カウンセリングの成否を大きく左右します。




一言でいうと、「信頼関係」ということにはなります。


しかし、ここでいう「信頼関係」は、もう少し説明を必要とするでしょう。




互いに信頼し合っている。


確かにそうなのですが、順番としてはこうです。


まず、カウンセラーがクライエントを限りなく信頼すること。


こちらが先にあります。




では、クライエントの何を信頼するのか?


それは、クライエントの持っている「立ち上がる力」です。


クライエントの内面にある潜在的な立ち上がりの可能性です。


これをカウンセラーは、心の底から強く信頼する必要があります。




先にこの信頼があって、その後にクライエントがカウンセラーに信頼を寄せます。


クライエントは、カウンセラーを、

自分の問題解決の伴走者として心から信頼していきます。


また、カウンセラーを、自分にとって最良の理解者であると実感します。




こうしたクライエントの実感は、

カウンセラーのクライエントに対する信頼から生まれます。


カウンセラーがクライエントの立ち直りを心から信頼する。


そうなると、カウンセラーは余計な助言や励まし、指摘をしません。


しないというより、「したいという気持ち」が起きません。




カウンセラーのすることは、ただひたすらクライエントを理解すること。


クライエントの経験の世界や感覚、それを共にわかちあうことです。




するとクライエントは、カウンセラーが

自分を「どうにかしよう」と思っていないことを感じます。


カウンセラーが自分をひたすら理解しようと努め、

その理解の中身をこちらに誠実に(忠実に)示そうとする。


その姿を通して自分というものの理解も促進し、

同時にそういう姿勢のカウンセラーに心から信頼を寄せます。




クライエントは今ままで、何らかの形で

自分を否定されるという経験を重ねてきました。


場合によっては、自分で自分を否定してきてもいます。




そんなとき、カウンセラーは自分に対してひたすら理解に努めてくる。


つまりそれは、一切否定をされない関係性です。


一切否定されないからこそ、クライエントはカウンセラーに信頼を寄せ始めます。




肝心なのは、クライエントがそういう関係性を経験するということ。


そして、その関係を経験することで生まれる「信頼」という実感です。


クライエントはこの実感をもつことで、

自分の問題に真正面から取り組む意識を持ち始めます。


そう、カウンセラーが信頼してきた「立ち上がる力」が、こうして芽を開きます。




学校の先生も、生徒の可能性を強く信頼します。


すると、下手に教えよう、やらせよう、やる気にさせようという気が起きません。


先生はただ、生徒の中で何が起こっているかに着目します。




生徒が目の前の課題をどう捉えているのか?


どこが理解できていて、どこが理解できていないのか?


何に興味が起き、どういう気持ちが出てきているのか?




先生は生徒のそうした瞬間々々の内面理解にひたすら努め、

それを生徒とわかち合います。


そうすると、生徒はより積極敵に、「自ら」学習に取り組もうとするそうです。




カウンセリングはある意味、教育的要素が強くあります。


クライエントが人として成長を起こすからこそ、

本当の意味で問題が解決したり、問題が問題で無くなっていくからです。




カウンセリングでは、そうした心の成長を

クライエントが経験することが重要です。


そしてそれは、カウンセラーとそうした「成長ができる関係」を

「経験していくこと」がカギになるわけです。


ですから、カウンセラーは何を伝えるか、何をやるかより、

クライエントとどういう関係性を築けるかが根本的に重要になります。


つまり、こうした関係性を築くために何が必要かを知り、

その力を養っていくことこそ、最も求められていることだといえます。


ちなみに、信頼するというのは、盲信や傾倒とは違います。


盲信や傾倒は、相手の全てを「正しい」と思いこむことです。


信頼は、信頼できないと感じたら無くなるものです。


そこには常に、自分の判断の自由が存在しています。




クライエントを抱え込むカウンセリングは悲劇しか生みません。


カウンセラーは、クライエントの意志と選択をいつも尊重し、

いつでも信頼でき、いつでも離れていける関係を心がけたいものです。





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