「セラピストは枠組みを持とう」メルマガ第14回:2011年8月27日

こんにちは、鈴木です。

 

 

 

「時間を守ることの意味」

 

 

 

以前ブログでも書きましたが、カウンセリングでは

面接時間を守ることが重要です。

 

心理的な援助をする際には「枠組み」を持つことはとても大切。

 

その重要性について、改めて今日はお伝えします。

 

 

カウンセリングでは、面接時間は1時間まで。

 

面接の期間は一週間空けること。

 

面接場所は、同じ場所(相談室)に来てもらうこと。

 

これが基本的な枠組みです。

 

 

では、なぜこのような枠組みを設けるのか?

 

 

日本の臨床心理の父といってもいい河合隼雄氏。

 

河合氏は、この枠組みの重要性を強調した一人です。

 

 

誰か援助したい人間がいる。

 

その人の家に行き、場合によっては浸食を共にする。

 

そうやって「付っきり」の状態で関わる。

 

そういう方法よりも、週1回、1時間しか会わない方が、

援助効果が高いことを我々は検証の結果、知っている。

 

 

つまり河合氏は、そうした枠組みを持って関わった方が、

「付っきり」の方法よりも、援助効果があると強調し、

同時に「会いに行きたくなる」衝動のままに動くことを戒めたのです。

 

 

これには「依存」と「主体性」ということが絡んでいます。

 

私たちは心理的な援助を必要とした場合、

どうしても人に「依存心」を起こしがちです。

 

しかしこの「依存心」は、あまりに大きくなると、

立ち直りを危うくしてしまいます。

 

 

人が立ち直れるかどうかは、その人がいかに「主体性」を持てるか?

つまり、自分が主体的に行動し、取り組めるかが重要です。

 

 

依存心を押さえ、主体性を発揮する環境として

「枠組み」を設けることが必要になるのです。

 

際限なく依存しても、その人は立ち上がれませんし、

援助する側もつぶれてしまう危険性が出てきます。

 

依存より主体性が大きい状態の方が、立ち直りのための

建設的な歩みが生まれやすいといえるわけです。

 

 

その枠組みとして「時間」と「場所」が大前提。

 

その他にも「安易に助言しない」「安易に激励しない」

「質問には安易に応えない」など、様々な枠組みを適宜設けます。

 

そうすることによって、確かな「主体性」が育っていきます。

 

 

河合氏と並び、私に「枠組み」の重要性を示してくれた人がいます。

私の師匠、吉田哲です。

 

 

私がスクールカウンセラー時代のエピソード。

 

あるスクールカウンセラーがケースカンファレンスの中で、

自分の経験した出来事について話していました。

 

学校の勤務時間は445分まででした。

 

ある日、勤務を終えて帰ろうとした時に、

保護者が飛び込みで相談を求めてきたそうです。

 

そのスクールカウンセラーは、勤務時間が終わったので、

また次の週に予約を入れてほしいと伝えました。

 

 

ところが、その保護者はこれに腹を立て、

スクールカウンセラーに失望感を訴え、

その足で校長にその不満をぶつけ、次週は訪れなかったそうです。

 

 

その保護者の落胆ぶりを見て、スクールカウンセラーは、

ケースカンファレンスでこうつぶやきました。

 

「10分だけでも話を聞いてあげればよかったのかなあと・・・」

 

 

すると、間髪を入れずに、師匠は強い口調で、こう言いました。

 

 

「そんなことしたら、絶対にダメですよ!!」

 

 

私はその時の師匠の厳しい表情と口調を目の当たりにし、

枠組みの持つ意味と、その重さを改めて痛感したのです。

 

 

そう、本当に相談に乗ってほしかったら、

渋々であっても、次週の予約を入れて出直すはずですからね。

 

ここに「依存」と「主体性」の問題が浮き彫りになってきます。

 

 

師匠は、たとえその保護者をその場で落胆させても、

校長にクレームを上げられても、カウンセラーは「枠組み」を崩すな。

 

そう私たちに教えたのです。

 

 

私はスクールカウンセラーをしていた5年間、

445分きっちりに学校の相談室を閉めていました。

 

他の先生たちが忙しそうにしていても、

私は基本的には「お先に失礼します」と帰っていました。

 

 

でも、そのことで「信用を落とす」ことはありませんでした。

 

むしろ、時間に厳格に動く私を見て先生たちも

何かしらの"意味"を感じ取っていたようです。

 

後はこちらがしっかりと「仕事をする」だけです。

 

スクールカウンセラーとしての仕事をきちんとしていれば、

トラブルや問題が起きると、先生たちの方から

相談室に足を運んでくれました。

 

 

スクールカウンセラーで「先生たちが協力してくれない」とか、

「何か問題が起きても、こちらに報告してくれない」と嘆く人がいます。

 

でも、きちんと仕事をしていれば、毎回445分に帰っていても、

その時間に間に合うように、向こうから報告&相談に来てくれます。

 

 

そしてそこには、カウンセラーが自分の中で

しっかりとした「枠組み」を一貫してもっていることが作用している。

 

これも現場の経験から確かめられたことでした。

 

 

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