「傾聴出来る人、出来ない人、その違いは?」メルマガ第129回:2015年2月15日


養成塾に来られる皆さんは、一様にこうおっしゃいます。


「傾聴がなかなか難しい、思うようにできません」


今まで傾聴の学習や訓練をしてきたが、

実践するのが難しいし、効果的な学び方もわからないというのです。


そこで私は次のような質問をします。


「では、傾聴とは何ですか?」


こう質問すると、答えが全員違うのです。




傾聴は難しいということは一様に話される。


だけど「傾聴とは?」の答えが一人一人違う。


こうした不思議なことが起こるのです。


つまり傾聴というものがどういうものか?


それが理解できていないということになります。


傾聴が何かを理解できなければ、実践は難しくなるのは当然です。




傾聴は辞書ではこう書いています。


「真剣に聞くこと」


「耳を傾けて熱心に聞くこと」




また、こんな誤解をしている方もいます。


とにかく「うん、うん」とただ話を聞けばいい。


こう誤解している人は、よくこう言います。


「傾聴だけしていては、セラピーにならない」




確かに傾聴だけでは進展しないことがあるのも事実です。


しかしこれは、本当に傾聴が実践できた上で検討できる話です。




私の師匠は傾聴に関して、こんなことを言っていました。



「私の場合、最初の25年間はひたすら聞いていた」



臨床経験45年のうち、最初の25年は傾聴に努めたというのです。


師はロジャーズ派随一の臨床家、友田不二男の直弟子。


しかも、その弟子の中でも群を抜いた腕を有していました。


その師匠の言葉だけに、重みがあります。


傾聴というのは、それほど実践に困難を伴うもの。


それほどに、奥が深いともいえます。




では、傾聴とはなんでしょう?


養成塾では言語の統一を図っています。


傾聴の定義と概念について、

次の3つの問いに答える形で話を進めてみましょう。




「傾聴ってどういうことですか?」


傾聴とは「クライエントの話を正確に聞くこと、聞けること」です。


正確にとは「一言半句漏らさずに」というレベルでです。


つまり傾聴とは


「クライエントの話を一言半句漏らさず(正確に)聞くこと、聞けること」


となります。


私はこのレベルの基礎を獲得するのに5年以上かかりました。




さて、次の問答にうつります。



「傾聴ができているかどうか、どう判断すればいいのですか?」


クライエントの話を一言半句のレベルで正確に聞けているか?


ここを厳密にチェックすればいいと思います。


判断基準は以下のようになります。



「クライエントの一番言いたいこと、訴えたいことは何か?」



この観点で正確に聞けているかをチェックすればいいわけです。


ただし、こうしたチェックは、

「正確に聞く能力」をもった人間でなければできません。


最後に具体的な学習・訓練の方法です。




「傾聴の力をつける適切な訓練方法はありますか?」



もちろんあります。


先ず、カウンセリング面接や自分の会話を録音します。


そして録音記録から逐語記録を起こします。


その録音記録と逐語記録を突き合せて徹底的に解析&検討します。


人間の記憶は実にあいまいなので、厳密にチェックするには、

もうこの方法しかありません。


ただし、これもチェック能力を有した人間による解析&検討が必要です。




養成塾では以前5分の会話記録を3時間近く解析検討したことがあります。


15分のカウンセリング記録を5時間かけたこともありました。


私自身が師匠と解析した時間の記録は、

35分の面接の解析に17時間以上かけたときです。




カウンセリングの技術、傾聴や応答技術は反射神経です。


反射神経を磨くには、このくらい微に入り細にわたる解析が必要です。




傾聴と共感的理解を実践していくと、

カウンセラーの応答語数は自然と少ないものになります。


ロジャーズをはじめ、日本の名だたる臨床家は

その応答に無駄がなく、簡潔明瞭です。


友田不二男、伊東博、佐治守夫などの臨床家。


更にはわが師、吉田哲にしても、逐語をみると応答は簡潔明瞭です。


長い応答はクライエントが聞いて理解するのが大変です。


また、長いと焦点がぼやけ、面接の進展を妨げます。


そして、本当の意味で傾聴や共感が実践できるようになると、

カウンセラーの応答は自然と短くなるものです。


応答がいつも長いカウンセラーは、実力不足だと断言できます。




そんなこと、どうして言えるのか?


証明できるのか?




もちろん証明できます。


証明の方法は、実際にそのカウンセラーの逐語をもって証明できます。


こういう証明は理屈でゴチャゴチャ言うのではなく、

例えば私の逐語と他のカウンセラーの逐語を比較検討すればいいだけです。


抽象的な理論に逃げて、お茶を濁すのではなく、

あくまでも具体的に自分がやっていることから出発する。


一言半句にわたって厳密に比較検討する。


そうでなければ、学習する側は納得する材料が得られません。




逐語記録上でのカウンセラーとクライエントの会話の比率。

それは3:7以下が適切といっていいでしょう。


本当に実力のある臨床家の逐語をみると、

だいたいこの比率になっています。


もちろん、例外的な場面や面接もありますが、

「基本」はカウンセラー3に対して、クライエントが7程度です。


力のあるカウンセラーは、その応答が本当に無駄がなく洗練されています。


だからこそクライエントの心に自然に、そして深く響くのです。




ただ、これは単純に数値的な比率だけの話ではありません。


この比率が守られている上に、カウンセラーの応答には「ある条件」が必要です。


カウンセリングの祖であるロジャーズは、その条件を示しています。


その条件はある簡単な方法でチェックできてしまうのです。




では、どんな方法か?


これが実にユニークな方法です。




逐語記録のうち、カウンセラーの応答だけを隠します。


そうすると、逐語はクライエントの話だけになりますよね。


それで何が話されているかがわかればいい・・というのです。




カウンセラーの応答が長かったり不適切だとします。


すると、クライエントの話だけ読んでも、つじつまが合わなくなってきます。


カウンセラーがクライエントの言いたいこと、わかってほしいことを

正確に応答に反映させた場合、こういうことは起こりません。


しかも、簡潔で(短く)適切な応答ならば、

クライエントの話は洞察が進み、その中に立ち直る方向性が現れます。


クライエントの話だけ読んでそれが見て取れれば、

クライエントの応答は適切であるという判断ができるというのです。


実際やってみれば、その通りだと得心がいきます。




なぜ、傾聴によってクライエントの精神機能が回復していくのか?


そもそも傾聴できなければ、共感的理解も洞察もリードも明確化も生まれません。


傾聴なくしてケースの的確なアセスメントもできません。


傾聴はセラピーの基本であり、しかも高いクオリティーを求められるのです。




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