「『クライエントのために』は間違い」メルマガ第128回:2015年2月10日


異業種から学ぶ。


これは私が若い頃に勤めていた会社で教わったこと。


違う世界にも、自分の世界に参考にできることがある。


違う世界と照らし合わせるからこそ、見えてくることもあります。


今日はカウンセリングについて、

全く違う世界の話と照らし合わせてみましょう。




セブン&アイHDといえば、

お馴染みセブンイレブンを有するグループです。


そのグループの頂点に立つのが会長の鈴木敏文氏。


その鈴木敏文氏の著書「売る力」のなかで、興味深いことが書かれています。




鈴木氏は「お客様のために」は間違いで

「お客様の立場で」が正しいと説いています。


「お客様のために」は、どうしても売り手のめがねでものを見てしまう。


「お客様の立場で」見ることで初めて見えてくることがあるというのです。


これこそがセブンイレブンがコンビニ業界、いえ小売り業界で

群を抜いた業績を叩き出している所以かもしれません。




実はこれ、心のケアやカウンセリングに関しても全く同様なのです。


心のケアでも、セラピストは「相手のために」と考えがちです。


カウンセリングでいえば、クライエントのために・・となります。


しかし、この「クライエントのために」という姿勢。


これはカウンセラーの勝手な思い込みや、

善意の押しつけを生む危険性をはらんでいます。




何か教えてあげなきゃとか、すぐに良くなるようにしなきゃとか・・・


説教するカウンセラー、自分の体験談を長々と話すカウンセラーも同様です。


説教がこの人のためになる。


自分の体験談がこの人には響くはず。


これらを「クライエントのために」という言葉で片付ける。


それは大変な過ちにつながるかもしれません。



オウム返しせよと教わったから。


これはもう、クライエントのためにというスタンスにすら立てていません。




「クライエントの立場で」捉えることで、

そうした対応が間違いであることがわかります。


大事なのは、徹底的に「クライエントの立場で」考えることです。


何かを教えたり、すぐに回復させようとしたり、次から次へと質問したり、

カウンセラーが自分の体験談を長々と話したり・・・


そうした対応がどんなにクライエントに負担かが認識できるはずです。




そして「クライエントの立場で」見ることで初めて見えてくることもあります。


養成塾でも逐語解析やケース検討を、

この「クライエントの立場で」というスタンスで実施します。


それも「徹底的に」です。




怖いのは、カウンセラー自身が、そうした

誤った対応をしているという自覚がないこと。


むしろ「自分は正しいことをしている」という変な自信をもってしまうとき。


これは当の本人に自覚がないだけに、本当に厄介です。



クライエントはなにか違和感を覚え、負担を感じ始める。


一方、カウンセラーは良かれと思ってその対応を続けていく。


これは続ければ続けるほど上手くいかなくなります。


しかし、カウンセラー側には、クライエントの違和感や負担が見えない。


むしろ正しい対応だと思って拍車がかかる。


こうなると、お互いの間には信頼関係ではなく、

深まっていく溝(みぞ)しかなくなります。




我々カウンセラーは、ちょっと気を抜くとすぐに

この「善意の罠」にはまります。


その罠にはまらないためには、

先ず自分のやっていることを正確に振り返る。


つまり自分のセラピーを記録化していく。


これ以外に確かめる方法はありません。



しかし、多くのカウンセラーはその記録すら一切残さない。


記録といっても、セッションが終わった後に文章で残すレベルではだめです。


音声を録音し、それを文字化した逐語記録です。


そして、この両方を徹底的に検討していく。


そうやって初めて互いの溝(みぞ)が明らかになり、

信頼関係を築く方法が明確になります。



勉強して自分の腕や技法を磨くのも大切です。


しかし、それよりも先に磨くべきことがあります。


それはクライエントの立場に徹底的に立つというスタンス。


こうして磨かれたスタンスあっての技法の学習です。




自分が実際に犯しているミス。


そのミスに気づかず、理論や技法を学ぶ。


あるいは他人の事例だけを横から学ぶ。


これでは自分の現場では何も変えることができません。


本当の意味でクライエントの立場で全てを捉えなおす。


そろそろ決断のときかもしれません。



このメルマガを購読されたい方は下記よりご登録ください。↓

 

 

 

メールアドレス:

 (必須)
お名前  (必須)

 

 

 >>オープンセミナーの詳細はこちら