「心理学の理論は邪魔をする?」メルマガ第121回:2014年12月17日



「理論を排除し、感覚に委ねる」



心理学やカウンセリングを勉強したい。


そういう人は、アカデミックなことを知りたがります。




アカデミックで難しい専門用語が並んでいると、勉強した気にはなります。


もちろん、知識として知っておきたい。


そういうことなら、ドンドン勉強すればいいと思います。


その知識が、いろいろな所で役立つかもしれません。




しかし、残念なことに、カウンセリングの場面では・・・・・


誤解を恐れずにいえば、理論や知識はほとんど役に立ちません。


いえ、理論や知識は知っておくに越したことはありません。


精神医学の基礎知識、カウンセリング技法の役割、人間の心理。


こうした基礎的なことは、知っておく必要はあります。




私が理解してほしいのは、カウンセリングの場面では役に立たないということ。


もっというと、クライエントの話を聞く場面では、知識は邪魔だということです。


知識が不要ということではなく、

知識や理論を頭にちらつかせながらは聞けないということです。




クライエントの話を聞くときは、神経を研ぎ澄ませている状態です。


その一言半句を正確に聞きとり、その裏にある感情なども感じ取る。


そうした深い集中状態に自分を置く必要があります。


この集中状態は、頭に知識や理論をちらつかせていては生まれません。




頭を働かさず、心を豊かに深く働かせる感覚ですね。


そうなると、正確に聞けますし、深く共感ができます。


その結果として、適切な応答が勝手に浮かんでくるんです。


この感覚に任せて聞き続けるだけで、傾聴・共感的理解、生きた応答が成立します。




こうした感覚で聞き続けるには、心理学の知識や理論は、むしろ邪魔です。


人の話を理論や知識といった知的なフィルターにかけて聞く。


そういう聞き方からは、深い共感(理解)も、心に響く言葉(応答)も浮かびません。


人の話は自分の心のフィルターのみを通して聞きます。


もっというと、心よりもっと深い部分で聞く感覚ですね。





私の師であった吉田は、この感覚をこう表現しました。



「耳で聞かずに心で聞く。


心で聞かずに"気"で聞く。」



これは荘子の「人間正篇(じんかんせいへん)」の一節だそうです。


耳で、言葉の表面だけを聞くのではなく、心を働かせて聞く。


さらには、心よりもっと深い感覚(気)を動員して全身で聞く。


それが必要だというのです。




私の感覚でいうと、こうなります。



先ずはひたすら集中する。


クライエントの言葉以外は聞こえてこない状態になる。


クライエントの語る世界をひたすらイメージし、それ以外は排除する。


そうすると、このイメージがより精巧に、よりリアルになってくる。


その精巧でリアルなイメージに自分を投入し、そこで体感する感覚を大事にする。


すると、その体感を通したものが言葉として浮かんでくる。


その言葉を応答としていくと、クライエントにダイレクトに響き、受け容れられていく。


言葉にすると、まさにこのような感覚です。




実際には、こんな面倒な感じではありません。


聞いていると「ポン」と言葉が浮かんでくる。


これだけの感覚です。


実にシンプルなんです。




これはスポーツの世界にも通じます。


テニスの錦織選手。


彼が全米オープンで世界ナンバーワンのジョコビッチを撃破した時の話です。


錦織選手は、試合中、球をどこにどう打とうと思わなくても、

身体が勝手に反応して打てたそうです。


直感が冴えた感じで、打てば絶妙のストロークになって決まったということです。



絶妙な応答がポンと浮かぶのも、この感覚に似ているのかもしれません。




では、どうしたらそのようなカウンセリングが可能になるのか?


あなたがもし、そうしたカウンセリングを望むなら、どうすればいいのか?




これは簡単です。


「正しい訓練」と「正しい経験」を、繰り返し続けていく。


それだけですね。




「正しい訓練」とは、養成塾で行っているものです。


「応答訓練」「傾聴トレーニング」「教育分析」等々ですね。


「正しい経験」とは、自分のセッション・面接を振り返ることです。


セッション・面接を録音し、逐語記録を作成し、両方を以て検討していく。


自分自身の面接研究を徹底することですね。




どうして世の中には、本当の傾聴・共感能力を持つ人が少ないのか?


なぜ、傾聴や共感的理解で行き詰る人が後を絶たないのか?




この答えは、もっと簡単です。


上記の「正しい訓練」「正しい経験」を繰り返し続けないからです。


繰り返し続ける人が皆無だからです。


続けないし、やらないのに「出来ない」「難しい」と言っているからです。




養成塾では、これらを続けている塾生がいます。


その塾生は着実にこうした能力の開花に向かって前進しています。


既に、少しずつ訓練と経験の効果が出始めています。





これからの時代、この傾聴・共感の能力がますます必要になります。


逆に言えば、これらの能力が失われて、社会の混乱が起きている側面もあります。


相手の気持ちを理解し、思いやり、絆を深めていく。


人として豊かなこの経験が出来ない人たちが増えている。


これは紛れもなく傾聴・共感の能力が失われていったからです。


取り戻すべきは知的な財産だけではなく、この傾聴・共感の能力です。





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