「なぜ言葉が出てこないのか?」メルマガ第103回:2014年5月25日

こんにちは、鈴木です。
メルマガを開封して頂き、ありがとうございます。

 

 


 「言葉が出てこない」


こう訴える人が少なくありません。

カウンセリングの面接をしていると、
クライエントに対して言葉が出てこない。

どんな言葉を返したら良いか、わからないというのです。


もちろん、経験の浅さからくる問題でもあります。

しかし、経験の問題を抜きに考えた場合、
言葉が出てこないのには、ある一つの原因が考えられます。

では、その一つの原因とは、いったい何だと思いますか?


言葉が出てこないというのは、
クライエントの話や訴えを聞いた後・・ということです。

つまり、クライエントの話を聞いて、それをどう受け止め、
何を感じたのかということが、カウンセラーの言葉に反映します。

このような感覚を持てない状態で
言葉を出そうとするから、出てこなくなるのです。


言葉を出そうとする。言葉自体を出そうとする。

ここに「無理」が生じていることになります。


ここからは感覚的なお話になりますが、カウンセリングの場合、
言葉というのは出そうとするのではなく「出てくる」ものです。

カウンセラーがクライエントの話を聞いて、
そこから何か心動かされる感覚を覚え、それが実感を伴った言葉になる。

カウンセラーの応答は、これが基本となるわけです。


以前、私のクライエントの方(30代女性)のカウンセリングでのこと。

仮にRさんとしましょう。

Rさんは面接の中で、自分のこれまでの半生を振り返っていました。

思うようにいかず、うつになり、その時の苦しみを切々と語ってくれました。

また、周囲になかなか理解してもらえないジレンマや、
人間関係での苦労についても、詳細に打ち明けてくれました。


そこから私が一番に感じたこと。

それは、Rさんの「真剣に生きる姿」でした。


Rさんの人生は、Rさんの思い描いたものとは、大きく違っていました。

それどころか、苦難の連続でもあり、
将来も決して楽観できる状態とはいえませんでした。

しかし、今、目の前にいるRさんは、真剣そのもの。

自分の人生を、そして自分自身を少しでも変え、成長したい。

Rさんの苦労、苦しみ、心の痛みの奥に、
私が最もヒシヒシと感じたのは、Rさんの真剣に生きる姿そのものでした。


そうした実感が私の心を静かに揺り動かしていきました。


カウンセリングは、カウンセラーの心がブレては上手くいきません。

しかし、相手の人間性、その深い部分にふれた時に起こる感覚。

静かに揺り動かされるその感覚は、むしろ大切です。


私はその感覚を元に、自分の内側から
自然に出てくる言葉を口にしていきました。

Rさんの真剣に生きようとする姿にふれ、
静かに心動かされた感覚を率直に言葉に変えていきました。


言葉が出てこないという原因の一つは、
この感覚が生まれていないことでもあるのです。

話の内容(事実)の理解はもちろん大切ですが、
クライエントの人間性、その全体に接することも大切です。


そして、その姿に「いい」とか「悪い」とか「すごい」とか、
こうした価値判断を挟まないことも重要です。

「あなたすごいじゃない」という言葉が出てくるとしたら、
そこでは既にカウンセラーの価値判断を露呈していることになります。

また「すごい」「がんばってるね」というカウンセラーの言葉が、
クライエントに余計なプレッシャーを与えることもあります。

言葉にするのはカウンセラーの価値判断ではなく、
あくまでもクライエントの経験の世界です。

そして、その世界をカウンセラーがどのように味わったか?

この感覚を言葉にできるかどうかです。


そして、カウンセラーの味わい方が、クライエントの感覚に近い場合。

その時は、クライエントはカウンセラーの応答を快く受け入れてくれます。

カウンセラーが磨くべきは、この味わい方であり、
味わうための感覚だといえるかもしれません。


「なにかアドバイスしなきゃ」
「なにか気づきになることを言わなきゃ」
「励ましになる言葉を伝えなきゃ」


こうした発想で言う言葉は、思いのほかクライエントの力にはなりません。

その場では「ありがとうございます」と言ってくれるかもしれませんが、
クライエントの心に残るものは、あまりない場合がほとんどです。

そして、こうした発想でいる限りは、それこそ言葉が出せなくなります。


クライエントの人間性、クライエントの生きる姿勢、
そうしたものに深くふれ、そして味わっていく。

カウンセリングでカウンセラーが突き詰めていくものの一つは、
この味わいなのではないかと思います。

カウンセラーが全身でクライエントの経験の世界を味わおうとする。

その姿勢や気持ちは、クライエントには必ず伝わり、
そこに厚い信頼関係が生まれるのではないか。

私はクライエントの方々にお会いするたびに、その意識を新たにしています。
 
         

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